My Manager Throws Bases.
「勝負の世界は結果がすべて(キリッ」
この言葉がやけにどうも引っかかった。
ということで、就任当時の記事を引っ張ってきた。
条件は3位以内!ブラウン新監督は“1年勝負”(スポーツニッポン)
次の5年を見据えて自走するチームづくりをしたい
「次の5年を見据える」。
そのためには兎にも角にも育成は最重要ファクター。
ということを、球団も自覚しているようなコメントを残してる。
広島時代同様にクライマックスシリーズ(CS)を逃せば“解雇”の特記事項も含まれる契約で、実質的には「1年勝負」となる。
その育成路線を踏まえた上で、尚且つ1年で結果を残さねばならない矛盾。
フロントは「去年2位だし、育成路線でもCSは最低ノルマでしょ?」とでも思ったのか。
選手層は薄く、抑えも正捕手もシーズンを通して固定できない。
こんなチームが2位に入ってしまう昨シーズンが異常だっただけの話。
前監督の言葉を借りるなら「エルニーニョ」という、あまりに不思議な現象。
その2位という結果を、フロントは「地力がついた」と受け取っちゃったのかな。
勿論、去年の戦い全てが「勢い」とは言わない。
昔に比べりゃ驚くほどの地力がついたのは間違いない。
けど、「上位争い出来る」地力がついたと判断するには、まだ時期尚早な訳で。
だから、去年の2位は追いかければ追いかけるほど麻薬要素に過ぎない。
監督も交代したからこそ、余計に今年は身の丈に合った戦い方をすべきだった。
となると、今のイーグルスには長いスパンで見た育成路線が最適なのは自明事項。
今シーズンの戦いを見て、全てが全て納得のいく采配ではなかった。
実際、素人目で見てもどうしても首を傾げてしまう采配はいくつも見てきた。
パの借金をほぼ一手に背負う「結果」になったのも、ある意味仕方ない戦いぶりだった。
その一方で、最重要ファクターである"はず"だった「育成路線」。
☆聖澤諒
【2009年】.220( 59打数 13安打) 0本塁打 5打点 15盗塁
【2010年】.290(517打数150安打) 6本塁打 43打点 24盗塁
☆内村賢介
【2009年】.162( 68打数 11安打) 0本塁打 5打点 10盗塁
【2010年】.304(230打数 70安打) 0本塁打 12打点 10盗塁
☆牧田明久
【2009年】.125( 24打数 3安打) 0本塁打 2打点 0盗塁
【2010年】.291(182打数 53安打) 6本塁打 16打点 2盗塁
★青山浩二
【2009年】28登板 3勝 5敗 2ホールド 5セーブ 防御率5.49
【2010年】41登板 5勝 1敗15ホールド 1セーブ 防御率1.72
★片山博視
【2009年】一軍登板なし
【2010年】53登板 1勝 2敗10ホールド 0セーブ 防御率1.88
彼らは確実にブラウン政権下で育った選手たち。
育成においては、来季以降に繋がる大きな成果を残したはず。
例年に漏れず、フロントは今季も補強に対して消極的姿勢を貫いた。
トレードを行えば、放出した選手は他球団で活躍し、獲得した選手は結果を残せず。
その限られた戦力だったからこそ、来季以降に繋がる戦力が育ったのは事実。
けど、そのような環境で結果まで求められるのは、あまりにも酷と言わざるを得ない。
求められる結果と育成路線との間で板挟みにされて、気の毒な監督だったなと思う。
采配に疑問符がつくことは決して少なくはなかったけど。
それでも、彼が残してくれたものは今後のチームにとって間違いなく大きい。
もう1年、マーティの野球が見たかったな。
1年間という短い間でしたが、本当にお疲れ様でした。